目次
概要
Windows Server 2025 に 2025年11月または12月の Windows Update を適用すると、
シャットダウン時に表示される 「シャットダウン理由の選択(Shutdown Event Tracker)」画面の右側が欠け、「続行」ボタンが表示されず操作できなくなる 現象を確認した。
本記事では以下を事実ベースで整理する。
- 発生条件
- 該当する更新プログラム(KB)
- 実際の検証結果
- 回避策および暫定対応


2025年12月の更新でも解消しないことを確認。
発生する症状
- スタートメニュー → 電源 → シャットダウン(再起動も同様)
- 「この PC をシャットダウンする理由を選択してください」画面が表示される
- 画面右側が欠け、「続行」ボタンが表示されない
- マウス操作ではシャットダウンを完了できない
※ シャットダウン機能自体が無効化されているわけではなく、UI が正しく描画されていないことによる操作不能と判断される。
発生条件と対象環境
- OS:Windows Server 2025
- 発生タイミング:Windows Update 適用直後
- 管理者権限、グループポリシー設定に依存しない
該当する Windows Update(KB番号)
2025年11月の累積更新
- KB5068861
- 公開日:2025年11月11日(Patch Tuesday)
- OS Build:26100.7171
- 内容:
- 最新のセキュリティ修正
- 前月の品質改善(非セキュリティ更新)を含む累積更新
2025年12月の累積更新
- KB5072033
- 公開日:2025年12月9日
- OS Build:26100.7462
- 内容:
- 最新のセキュリティ修正
- 2025年11月の更新内容(KB5068861)を包含する累積更新
検証結果(実環境)
KB5072033 適用時
- シャットダウン理由画面の右側が欠ける
- 「続行」ボタンが表示されず GUI 操作不可
- 再現性あり
KB5072033 をアンインストールした場合
- シャットダウン理由画面が正常表示される
- 「続行」ボタンが復活
- 通常通りシャットダウン可能
Get-HotFix による確認例(アンインストール後)
Get-HotFix
HotFixID InstalledOn
KB5066131 2025/12/17
KB5043080 2025/12/17
KB5071142 2025/12/18※ この状態では KB5072033 は存在しない。
現象の整理
- 実態は Shutdown Event Tracker の UI 描画不具合
- コマンドや別 UI 経由ではシャットダウン可能
- 累積更新の適用状態と強く相関
公式の報告例(UI バグとしての根拠)
Microsoft Q&A にも同様の現象が報告されており、
「Shutdown Event Tracker のコンテナが正しくレンダリングされない UI レイアウトバグ」であると説明されています。
特に英語環境でも再現報告があり、
- マウスクリックでは UI が欠けるが、矢印キーでは Continue ボタンが表示される
- 表示スケーリングや言語パックによって発生しやすい可能性
といった現象が指摘されています。
回避策(暫定対応)
shutdown コマンドを使用する
shutdown /s /t 0Alt + F4 を使用する
- デスクトップ表示中に Alt + F4
- 従来のシャットダウンダイアログを利用
更新のアンインストール(検証環境向け)
- KB5072033 をアンインストール
- 再起動後、症状が解消することを確認
※ 本更新はセキュリティ修正を含むため、本番環境では慎重に判断すること。
KB の確認方法
PowerShell
Get-HotFixDISM
dism /online /get-packages | findstr 5072033
dism /online /get-packages | findstr 5068861注意点・未確定事項
- 本不具合は Microsoft の既知の問題一覧には現時点で掲載されていない
- KB5068861 単体で発生するかは未検証
- KB5072033 では再現・解消の因果関係を確認済み
まとめ
- Windows Server 2025 で Windows Update 適用後、
シャットダウン理由画面が右側で欠ける UI 不具合が発生する場合がある - 2025年11月(KB5068861)、12月(KB5072033)の累積更新が関連する可能性が高い
- KB5072033 をアンインストールすると復旧する事例を確認
- 運用上は shutdown コマンド等の回避策を併用するのが現実的

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