Entra ID Connectの環境を構築すると,Entra上で設定値を変更することができず,オンプレActive Directoryサーバーから設定値を変更する必要があります。
ですが,Exchange関連の設定を変更する際に,以下のメッセージや,画像のようにグレーアウトして変更できません。
そのため,本記事では,オンプレADにExchange関連のスキーマ拡張を実行する方法を解説します。

前提
MSの公式によると,Exchangeセットアップウィザードを使うことを推奨しています。
また,本記事では以下の公式の「手順 1. Active Directory スキーマを拡張する」を実行する方法になります。
Exchange のスキーマを拡張する唯一の方法は、 /PrepareSchema、 /PrepareAD、または Exchange セットアップ ウィザードで Setup.exe を使用することです。 その他のスキーマを拡張する方法はサポートされていません。
Exchange Server の Active Directory とドメインを準備する
準備
Exchange Serverのisoファイル
スキーマ拡張を行うには、Exchange Server のセットアップファイルが必要です。以下の手順で,Microsoft の公式サイトから Exchange Server 2016 の累積更新プログラム(Cumulative Update)をダウンロードできます。
以前は,評価版があったようですが,今は配信されていないようです。
ですが,以下のMicrosoft の公式ダウンロードセンターよりにアクセスします。
ページ内の「言語を選択」で「日本語」を選び,「ダウンロード」ボタンをクリックします。

isoを使用してスキーマ拡張がライセンス違反か
根拠としては弱く,公式が公言しているものは見つかりませんが,以下のフォーラムが参考になるかと思います。
The HCW is now able to detect and license your designated on-premises Exchange 2013, Exchange 2016, or Exchange 2019 hybrid server for free without going to a separate web site or calling Microsoft support.
https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/938611/exchange-hybrid-2019-license-requirements
手順
この際,マウントされたドライブレターを確認する。

D:\Setup.exe /IAcceptExchangeServerLicenseTerms /PrepareSchema
上記は,ドライブレターがEだったため参考までに。
「Exchange Server のセットアップが完了しました。」の表示が出れば完了です。

以下は,マウント後にコマンドプロンプトではなく,iso内のSetup.exeダブルクリックしてしまったため,失敗した例です。

確認
スキーマ拡張確認については,ADの任意のユーザーの属性にて,下記に記載する属性があればExchange関連のスキーマ拡張がされている形になります。
・extentionAttribute1~15
・mailNickName
・msExchHideFromAddressLists
・proxyAddresses




コメント