エアリアから,ストレージの状態を“見える化”できるユニークな外付けケースが登場しました。
- S.M.A.R.T 2.5 METER SD-U25DP1-B:2.5インチ SATA SSD/HDD向け
- S.M.A.R.T M.2 METER SD-CM2DP-B:M.2 SSD向け
どちらも本体に小型ディスプレイを搭載し,温度や稼働時間などの S.M.A.R.T情報をリアルタイム表示できる のが特徴です。
製品概要と主な特徴
まずは、公式情報ベースで SD-U25DP1-B の仕様と特徴を整理します。
SD-U25DP1-B(2.5インチSATA SSD/HDDケース)

- 対応ドライブ:2.5インチ SATA SSD/HDD(250GB〜4TB)
- インターフェース:USB 3.2 Gen1(理論値 最大5Gbps)
- プロトコル:UASP対応
- 搭載コントローラー:REALTEK RTL9210B
- 本体サイズ:約 126 × 79 × 13.5 mm
- 重量:約56g
- ケース構造:シースルーボディ、工具不要のワンタッチ組み立て
- 対応OS:Windows 10/11、macOS 12以降
- 確認できる情報:ドライブの積算使用時間,ドライブの温度,健康状態の判断

SD-CM2DP-B(M.2 SSDケース)について
M.2 SSD向けの SD-CM2DP-B も同コンセプトの製品で、M.2 SSDのS.M.A.R.T 情報を本体ディスプレイに表示できるモデルです。

- 対応SSD:M.2 NVMe SSD(M-Key)
- インターフェース:USB 3.2 Gen2(理論値 最大10Gbps)
- プロトコル:USAP対応
- 搭載コントローラー:REALTEK RTL9210
- 本体サイズ:約106×30×12mm
- 重量:約30g
- 確認できる情報:ドライブの書込総容量,ドライブの駆動時間,通電回数,健康状態の判断,ドライブの温度,USBの電源電圧
- TRIMコマンドに対応

SD-U25DP1-B / SD-CM2DP-B スペック表
2つのモデルの位置づけが分かりやすいように並べます。
| 項目 | SD-U25DP1-B(2.5インチ SATA) | SD-CM2DP-B(M.2 SSD) |
|---|---|---|
| 対応ストレージ | 2.5インチ SATA SSD/HDD ・250GB 以上 4TB 以下に対応 | M.2 NVMe SSD(M-Key) ・250GB 以上 4TB 以下に対応 ・2242/2260/2280サイズ |
| 接続インターフェース | USB 3.2 Gen1(5Gbps) | USB 3.2 Gen2(10Gbps) |
| 転送プロトコル | UASP対応 | UASP対応 |
| SMART情報表示 | ドライブの積算使用時間 ドライブの温度 健康状態の判断 | ドライブの書込総容量 ドライブの駆動時間 通電回数 健康状態の判断 ドライブの温度 USBの電源電圧 |
| ケース構造 | シースルーボディ 工具不要 | 高耐久アルミニウム合金ボディ ケースを開けるのに工具が必要 |
| 対応OS | Windows 10/11 macOS 11以降 | Windows 10/11 macOS 11以降 |
| 価格 | 2,180円(税込) | 4,728円(税込) |
製品特徴── 「外付けケース = ただの箱」からの脱却
従来の外付けケースは,基本的に「USBでつなぐための入れ物」以上の役割を持ちませんでした。
SD-U25DP1-B / SD-CM2DP-B は、そこに 「ストレージの状態を常時可視化する」という機能 を追加しています。
1. SMART情報を“ソフトなしで”見られる
通常,SSD/HDDの健康状態や温度を確認するには,CristalDiskInfoなどの専用ソフトをPCにインストールして確認する必要があります。しかし,この製品では製品をPCにつなぐだけで以下の確認ができます。
- ケースのディスプレイで温度を常時表示
- 通電時間・稼働時間・健康状態の数値を確認
- PCを立ち上げなくても,本体側の表示だけで状態チェック
2. バックアップタイミングの判断材料になる
SMART情報の劣化傾向を把握できると,バックアップの時期や,使用終了の判断がしやすくなります。
単に容量だけを見る運用から,“寿命や健康状態を見ながら使う運用” に切り替えられるのがポイントです。
3. 複数ストレージ運用時の“見える化”に有効
録画用・バックアップ用・データ保管用など,外付けストレージを複数台回している環境だと,どのドライブが一番使い込まれているか,どれがそろそろ寿命に近いかといった情報が,頭の中だけでは管理しきれません。
SMART表示付きケースに入れて運用すれば,物理的なケース単位で状態を把握できるため,管理が簡略化されます。
他社製品
一応,こういった製品は今までもありました。
Amazonの評価ではマニュアルのダウンロードリンクがわかりにくかったり,サイトがわかりくい点が指摘されています。
想定される活用シーン
この製品が特にフィットしそうなケースを整理します。
旧PCから取り外した2.5インチ SSD/HDDの再利用
- ノートPCのSSD換装で余った2.5インチ SSD
- 古いHDDを外付けバックアップ用途に回したいとき
こういった「余り物ストレージ」を,状態を監視しつつ再利用できます。
録画用・データ倉庫用ドライブの見守り
- TV録画PC / 録画サーバー用のHDD
- 写真・動画アーカイブ用の大容量HDD
- 長期保存を想定したSSD
温度や稼働時間を見ながら使えるので,負荷をかけすぎていないかを判断しやすくなります。
モバイルストレージとしての利用
- 約56gの軽量ボディ(SD-U25DP1-B)
- USB Type-C接続で、ノートPCやタブレットとも相性が良い
ビジネス用途の持ち運びストレージとしても使いやすい構成です。
注意点・限界
良い点だけを書いても意味がないので,実際に運用する上での注意点も押さえておきます。
1. すべてのドライブでSMART表示が保証されるわけではない
公式でも、「すべてのドライブでのSMART情報表示を保証するものではありません」といった注意書きがあるため、
“目安として見るもの” と捉えるのが妥当です。
- 一部のSSD/HDDではSMART情報が取得できない場合があります。
- 情報が表示されないからといって「完全正常」とは限りません。
※本製品で表示するSMART情報に関しまして、S.M.A.R.T(SSD/HDDの健康状態)はすべての取り付けたSSD/HDDでの表示をお約束するものではございません。表示情報は搭載コントローラーから識別する情報を表記しているものであり、他のソフトウェアなどとは算出方法が異なるため表示情報は搭載ICメーカー独自のものとなります。なお、S.M.A.R.T情報表示のプログラム情報は開示できません。
SD-CM2DP-B商品ページ:https://www.area-powers.jp/product/usb_product/4580722551449/
SD-U25DP1-B商品ページ:https://www.area-powers.jp/product/usb_product/4580722551456/
2. 転送速度はあくまで理論値
USB 3.2 Gen1/Gen2 の「5Gbps / 10Gbps」は理論値です。実際の速度は,以下の環境に依存します。
- SSD/HDDの性能
- 接続ポートの仕様
- ケーブル
ベンチマークソフトで測るときは,その点を織り込んでおく必要があります。
速度は理論値 / 参考実測値であり、転送速度を保証するものではございません。
まとめ:ストレージ管理を“見える化”したい人向けのケース
最後に本記事のポイントを整理します。
- SD-U25DP1-B / SD-CM2DP-B は、SMART情報をケース側で表示できる外付けストレージケース
- 2.5インチ SATA / M.2 SSD両対応のラインアップで、用途に応じて選べる
- 温度・稼働時間・健康状態を可視化できるため、バックアップと交換タイミングの判断材料になる
- 旧PCからの余りSSD/HDD再利用、録画用HDDの監視、モバイルストレージ用途などに向く
一方で,
- 全ドライブでのSMART表示は保証されない
- 転送速度は理論値
「外付けケースを買うなら、ただの箱ではなく“状態が見える箱”を選びたい」
そう考えるユーザーにとって、SD-U25DP1-B / SD-CM2DP-B は候補に入れて良い製品です。
参考
公式情報・最新仕様はこちら:
S.M.A.R.T 2.5-METER- SD-U25DP1-B|AREA

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