はじめに
「ちょっとHyper-VでUbuntu Serverを立てるだけだし,すぐ終わるでしょ」
──そう思っていた時期が、私にもありました。
結果,Secure Bootの壁にぶち当たり,ネットワーク設定でつまずき,最後はインストール後にCD-ROMが外れず足止め…。
この記事は,そんな私の失敗と解決の記録です。同じようにハマった人の助けになれば嬉しいです。
環境
ホストOS: Windows Server 24H2(ビルド 26100.4652)
Hyper-Vバージョン: 10.0.26100.1882
仮想マシン世代::第2世代(UEFI)
割当メモリ:8192 MB固定(動的メモリ/Dynamic MemoryはOFF)
ゲストOS::Ubuntu Server 24.10(ubuntu-24.10-live-server-amd64.iso)
ネットワーク:外部仮想スイッチ(固定IP)
Secure Bootで門前払い
インストーラを起動したら,いきなり黒い画面に白文字でこう出ました。
>>Start PXE over IPv4.
これはHyper-VのSecure Boot設定がUbuntuの署名を認識しないためです。
デフォルトの「Microsoft Windows」テンプレートだと,Windows以外のOSは弾かれます。


解決方法
仮想マシン上で右クリックして,「停止」
停止後,「設定」を開く。

「セキュリティ」を選択し,テンプレートから「Microsoft UEFI証明機関」を選択して「OK」。

ここは説明不要ですね。
無事,挿入済ISOを起動できた。

ネットワーク設定で「should be in CIDR form」エラー
Windowsの癖で,固定IPを設定しようとしてサブネットに 255.255.255.0
と入れたら,赤文字で怒られました。
should be in CIDR form (xx.xx.xx.xx/yy)
Ubuntuでは,サブネットをCIDR形式で書く必要があります。


解決方法
CIDR表記に合わせて入力します。設定したいアドレスと同じネットワークに設定し,サブネットマスクの位置を左から個数分設定します。
設定例(255.255.255.0の場合)
- Subnet:192.168.1.0/24
- Address:192.168.1.51
3. 再起動時に「Failed unmounting cdrom.mount」
インストール完了後の再起動で,黒背景に赤文字が…。
[FAILED] Failed unmounting cdrom.mount
Please remove the installation medium…
物理CDではなくISOを使っているので,手動で外す必要があります。


解決方法
仮想マシン上で右クリックして,「停止」
停止後,「設定」を開く。
メディアでなしを選択して,OKを選択する。

端折ります。
まとめ
今回の教訓はこの3つ。
- Secure BootはLinux用テンプレートに
- ネットワークはCIDR形式で
- ISOはインストール後に外す
知っていれば10分で終わる作業も,知らないと1時間コースです。同じ沼にはまった人の参考になれば幸いです。
補足
- Ubuntu 24.10は非LTS版なので,インストーラUIや挙動がLTS版(22.04など)と異なる場合があります。
- Secure Boot対応はされているものの,Hyper-Vのデフォルト設定ではブロックされる点に注意。
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